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加熱式たばこ専用喫煙室の基準をわかりやすく解説|設置条件と設備選び

2020年4月に全面施行された改正健康増進法により、飲食店やオフィスを含む多くの施設で原則屋内禁煙となりました。これに伴い、喫煙環境の整備においては、紙巻きたばこだけでなく「加熱式たばこ」の取り扱いについても関心が高まっています。

加熱式たばこは、煙が出ない、においが少ないといった特徴から利用者が増えており、施設側としても「加熱式たばこなら席で吸えるようにしたい」「専用の部屋を作りたい」というニーズがあります。しかし、設置にあたっては法律で定められた厳格な基準をクリアしなければなりません。

加熱式たばこ専用喫煙室は、紙巻きたばこの喫煙室とは運用ルールが異なる一方で、設置に必要な技術的基準には共通点も多く、正しく理解していないと法令違反になるリスクがあります。本記事では、加熱式たばこ専用喫煙室の定義、設置に必要な基準、設備選びのポイントについて詳しく解説します。

加熱式たばこ専用喫煙室とは

加熱式たばこ専用喫煙室とは、その名の通り「加熱式たばこ」のみを喫煙することができる部屋のことです。改正健康増進法において、たばこは「紙巻きたばこ」と「加熱式たばこ」に大別され、それぞれで設置できる喫煙室の種類やルールが異なります。

健康増進法における区分

健康増進法では、受動喫煙を防止するために施設の区分や喫煙室の要件が細かく定められています。加熱式たばこもたばこの一種であるため、原則として屋内は禁煙です。喫煙をするためには、基準を満たした専用の場所を設ける必要があります。

加熱式たばこ専用喫煙室の最大の特徴は、「室内での飲食や会議などのサービス提供が可能」という点です。

通常の「喫煙専用室(紙巻きたばこも吸える部屋)」では、喫煙以外の行為(飲食など)は一切禁止されています。しかし、加熱式たばこ専用喫煙室であれば、食事をしながら、あるいはコーヒーを飲みながら喫煙することができるため、飲食店やカフェなどでは分煙対策の一環として導入するケースが増えています。

紙巻きたばこ専用室との違い

紙巻きたばこが吸える「喫煙専用室」と「加熱式たばこ専用喫煙室」の主な違いは、そこで行える活動の範囲です。

項目喫煙専用室加熱式たばこ専用喫煙室
喫煙できるたばこ紙巻きたばこ、加熱式たばこ等すべて加熱式たばこのみ
飲食・サービスの提供不可可能
20歳未満の立入禁止(従業員含む)禁止(従業員含む)
技術的基準(気流等)必要必要

表のように、飲食ができるかどうかが大きな違いですが、設置に求められる技術的基準(気流の確保や排気など)については、基本的にどちらも変わりません。「加熱式たばこは煙が少ないから、基準が緩いのではないか」と誤解されることがありますが、法律上は紙巻きたばこと同等の厳格な空気環境対策が求められます。

設置基準と守るべき要件

加熱式たばこ専用喫煙室を設置するためには、厚生労働省が定める「たばこの煙の流出を防止するための技術的基準」を満たす必要があります。これは受動喫煙を防ぐための最低限のルールであり、守られていない場合は指導や罰則の対象となります。

気流・換気の条件

最も重要かつ技術的なハードルとなるのが、気流の確保です。喫煙室の出入口において、室外(非喫煙エリア)から室内(喫煙エリア)に向かって空気が流れるようにし、煙が外に漏れ出さないようにしなければなりません。

具体的には、「出入口の開口面において、室外から室内に流入する空気の気流が0.2m/s以上であること」が求められます。

これは加熱式たばこであっても紙巻きたばこであっても同様です。加熱式たばこの蒸気(エアロゾル)が見えにくいからといって、換気が不十分でよいわけではありません。ドアを開閉した際や人が出入りした際に、内部の空気が外に逆流しないよう、十分な排気風量を確保し、室内を負圧(外よりも気圧が低い状態)に保つ必要があります。

区画と構造

物理的に空間を分けることも必須条件です。

「たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること」が必要です。

パーティションで仕切る場合でも、天井との間に隙間がある「欄間オープン」のような形状では基準を満たしたことになりません。床から天井まで隙間なく壁で仕切り、出入口以外から空気が漏れない構造にする必要があります。

飲食店などで客席の一部を加熱式たばこ専用エリアにする場合も、完全に壁やガラスで遮断された個室構造にする必要があります。

煙やにおい漏れの対策

3つ目の基準は排気に関するものです。

「たばこの煙が屋外又は外部の場所に排気されていること」が原則です。

喫煙室内の汚れた空気を、ダクトなどを通じて建物の外へ排出します。屋内の空調設備だけで循環させてしまうと、有害物質やにおいが施設全体に広がってしまうため認められません。

ただし、建物の構造上どうしても屋外排気ができない場合(2020年4月1日時点で現存する建物等)に限り、経過措置として「脱臭機能付き喫煙ブース」の設置が認められています。この場合、総揮発性有機化合物(TVOC)の除去率が95%以上などの性能要件を満たす必要があります。加熱式たばこ専用であっても、この経過措置を利用する場合は同様の高い脱臭性能が求められます。

飲食店・施設の導入パターン

実際に加熱式たばこ専用喫煙室を導入する場合、店舗の規模や業態によっていくつかのパターンが考えられます。

小規模店のケース

個人経営の居酒屋やカフェなど、スペースが限られている店舗では、既存の客席の一部を改装して加熱式たばこ専用室にするケースが見られます。

例えば、店舗の奥にあるテーブル席エリアをガラスパーティションで完全に区切り、換気設備を増設して「加熱式たばこ専用エリア」とします。これにより、そのエリア内では飲食をしながら喫煙が可能になります。

一方、紙巻きたばこについては、飲食不可の小さな「喫煙専用室(ブース)」を別途設置するか、店外に灰皿を設置して対応することになります。

既存の特定飲食提供施設(客席面積100㎡以下などの条件を満たす店)であれば、経過措置として「喫煙可能室(紙巻・加熱式ともに飲食可)」を設置できる場合もありますが、新規オープンの店や条件を満たさない店では、加熱式たばこ専用室の設置が、席で吸える環境を作るための有効な手段となります。

商業施設・オフィスの場合

ショッピングモールやオフィスビルでは、共用部に喫煙所を設けるのが一般的です。

最近の傾向として、紙巻きたばこ用の喫煙室とは別に、加熱式たばこ専用の部屋を設けるケースが増えています。加熱式たばこユーザーの中には、紙巻きたばこの強い煙やにおいを嫌う人も多いため、部屋を分けることで利用者の満足度を高めることができます。

この場合、加熱式たばこ専用室には椅子やテーブルを設置し、休憩や簡単な打ち合わせ(オフィスの場合)ができるようにするなど、環境に差をつける運用も可能です。もちろん、どちらの部屋も出入口風速0.2m/s以上の基準はクリアしなければなりません。

設置費用と導入の流れ

加熱式たばこ専用喫煙室を作るには、内装工事や設備工事が必要です。一般的な導入の流れと費用の考え方を整理します。

導入ステップ

  1. 現地調査と計画
    設置予定場所の広さ、天井高、換気ルート(排気ダクトが通せるか)を確認します。法令基準を満たすために必要な換気量を計算し、レイアウトを設計します。
  2. 機器選定と見積もり
    必要な能力を持つ換気扇や、喫煙ブースなどを選定し、工事費を含めた見積もりをとります。
  3. 設置工事
    壁の造作、電気工事、ダクト工事などを行います。ユニット型の喫煙ブースであれば、組立設置だけで済む場合もあります。
  4. 風速測定と運用開始
    完成後、出入口で風速0.2m/s以上が出ているかを計測し、記録します。適切な標識(加熱式たばこ専用喫煙室)を掲示して運用を開始します。

費用の考え方

費用は「本体・材料費」と「工事費」に分かれます。

内装工事で部屋を一から作る場合、壁やドアの設置費用に加え、排気ダクトの工事費が大きなウェイトを占めます。建物の構造によっては、排気口までの距離が長くなり、工事費が高騰することもあります。

一方、ユニット型の喫煙ブースを導入する場合は、本体価格はかかりますが、工期が短く、設計の手間も省けるため、トータルコストが見通しやすいというメリットがあります。

ランニングコストとして、電気代のほか、脱臭機などを設置した場合はフィルタ交換費用やメンテナンス費も考慮しておく必要があります。

設備選びで重要なポイント

加熱式たばこ専用喫煙室を快適かつ安全に運用するためには、適切な設備選びが欠かせません。

フィルタ性能

加熱式たばこは紙巻きたばこに比べてにおいが少ないと言われますが、独特のポップコーンのような甘いにおいや酸味のあるにおいがあります。また、目に見えにくいエアロゾルの中にも有害物質は含まれています。

換気だけでなく、空気清浄機や脱臭機を併用する場合は、加熱式たばこ特有の成分もしっかり除去できる高性能なフィルタを搭載したものを選ぶことが重要です。特に循環型(屋内排気)のブースを使用する場合は、におい戻りを防ぐために高い脱臭能力が必須となります。

換気・排気能力

前述の通り、出入口で0.2m/s以上の風速を確保できる換気能力が必要です。

部屋の広さやドアの開口面積に対して、換気扇の能力が不足していると、煙が漏れて法令違反となります。逆に、換気扇が強力すぎるとドアが開けにくくなったり、空調が効きにくくなったりする弊害もあります。

適切な換気量を計算し、必要に応じて給気口を設けるなど、空気のバランス(給排気バランス)を整えることが大切です。また、換気扇は経年劣化や汚れで能力が落ちるため、メンテナンスのしやすさも選定のポイントになります。

トルネックス製品の紹介

加熱式たばこ専用喫煙室の設置には、法令基準を確実にクリアできる信頼性の高い設備が必要です。分煙対策の専門メーカーであるトルネックスでは、屋内外に対応した様々なソリューションを提供しています。

分煙脱臭ブース(IKBJP)

分煙脱臭ブース(IKBJP)」は、厚生労働省の技術的基準をクリアした、循環型(屋内排気)の喫煙ブースです。

高性能なフィルタシステムにより、たばこの煙やにおいを強力に除去し、きれいな空気を室内に戻します。

ダクト工事が不要なため、排気ルートの確保が難しい店舗やオフィスでも、コンセントさえあれば設置が可能です。加熱式たばこ専用室として運用する場合でも、その高い脱臭性能により、周囲へのにおい漏れを気にすることなく快適な環境を提供できます。

1人用分煙脱臭ブース(IKCJP)

省スペースで設置したい場合には、「1人用分煙脱臭ブース(IKCJP)」が適しています。

畳半畳分ほどのスペースがあれば設置でき、工事も不要です。小規模な店舗のデッドスペースや、オフィスのリフレッシュエリアの一角に、手軽に加熱式たばこ専用のスペースを作ることができます。人感センサーによる自動運転で省エネ性能も高く、個室タイプなので感染症対策としても有効です。

トルネックスのサポート

トルネックスでは、機器の販売だけでなく、設置前の現地調査から設計、導入支援、そして導入後のメンテナンスまで一貫してサポートを行っています。

「加熱式たばこ専用室を作りたいが、基準を満たせるか不安」「換気設備の計算が難しい」といった悩みに対し、専門知識を持ったスタッフが最適なプランを提案します。

また、定期的なフィルタ交換や点検サービスも提供しており、常に法令基準を満たした安全な状態を維持することができます。

まとめ

加熱式たばこ専用喫煙室は、飲食などのサービス提供が可能である点が大きな特徴ですが、設置にあたっては紙巻きたばこと同様に「出入口風速0.2m/s以上」「壁・天井による完全区画」「屋外排気(または基準適合脱臭)」という厳格な基準を満たす必要があります。

これらの要件を正しく理解し、適切な設備を選定することが、法令遵守と利用者の満足度向上につながります。

加熱式たばこ専用喫煙室の設置や基準の確認については、WEB面談でもご相談いただけます。設備選びから導入まで、専門スタッフが丁寧にサポートします。

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