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オイルミスト除去装置の選び方|3大方式のメリット・デメリットとコスト比較

金属加工の現場で、切削油から発生するオイルミストの問題は避けて通れない課題です。2026年現在、製造業の現場では労働環境の改善が急務となっており、オイルミスト除去装置(ミストコレクター)を導入する工場が増えています。しかし、せっかく導入したのにすぐに吸い込みが悪くなった、あるいは毎月のフィルタ交換費用が想定以上にかかっているといった悩みを抱える設備担当者の方も少なくありません。

オイルミスト除去装置には主に3つの方式があり、それぞれ得意な環境と苦手な環境がはっきり分かれています。自社の加工内容や油の種類に合わない装置を選んでしまうと、環境が改善されないばかりか、無駄な維持費だけを支払い続けることになりかねません。

本記事では、主要な3つの除去方式の仕組みと特徴を整理し、失敗しない選び方のポイントとコスト削減の秘訣を解説します。また、実際に工場から寄せられたオイルミストによる経営リスクの事例についても詳しく触れていきます。

オイルミストを放置する5つの経営リスク

オイルミスト対策は、単に従業員の不快感を解消するだけのものではありません。対策を怠ることで、企業の存続に関わる重大なリスクを招くことがあります。現場へのヒアリングで明らかになった、代表的な5つのリスクを整理します。

1. 労働災害と安全性の欠如

空気中に浮遊したオイルミストは、時間の経過とともに床や手すり、階段に沈着します。オイルが堆積した床は極めて滑りやすく、作業員が足を滑らせて転倒し、大ケガを負う労災事故が後を絶ちません。一度でも重大な事故が発生すれば、企業の安全管理責任を厳しく問われることになります。

2. 受注機会の損失と信頼の低下

製造業において、工場は最大の営業ツールです。新規の取引を検討している発注元が視察に来た際、設備が油まみれで空気が白く霞んでいる光景を目にすると、品質管理体制そのものに不信感を抱きます。実際に、不衛生な環境を理由に発注を見送られ、大きなビジネスチャンスを逃したケースも報告されています。

3. 設備維持費の増大とエアコンの故障

オイルミストは工場のインフラ設備にもダメージを与えます。特に深刻なのが業務用エアコンの故障です。エアコンがミストを吸い込むと、内部の熱交換器に油とホコリがこびりつき、冷却効率が劇的に低下します。ヒアリングでは、ミストが原因で毎年1回はエアコンが故障し、多額の修理・買い替え費用が発生している工場もありました。

4. 人材不足の加速と採用難

深刻な人材不足の中、労働環境の良し悪しは採用力に直結します。求職者が工場見学に来た際、油臭さやベタつきを目の当たりにすれば、入社を躊躇するのは当然です。労働環境の悪さを理由に入社を断られたり、早期離職を招いたりすることは、技術伝承を妨げる大きな痛手となります。

5. 近隣トラブルとコンプライアンスの危機

工場内の環境を優先するあまり、ミストをそのまま屋外へ排気していると、近隣の住宅や店舗から苦情を受ける原因になります。2026年現在、企業の社会的責任はこれまで以上に厳しく監視されており、近隣トラブルは操業停止のリスクやブランドイメージの毀損を招きます。

なお、これらのリスクを数値化するために環境測定を行う場合がありますが、トルネックスではオイルミストの測定業務自体は行っておりません。環境改善のための装置選定にあたり、以下の解説を参考にしてください。

オイルミスト除去装置の主な3つの方式と仕組み

除去装置には主に「フィルタ式」「遠心分離式」「電気集塵式」の3タイプがあります。それぞれの構造と特性を理解することが選定の第一歩です。

項目フィルタ式(ろ過式)遠心分離式(サイクロン)電気集塵式(静電気式)
仕組み不織布等で油をこし取る遠心力で油分を分離静電気で粒子を帯電・吸着
初期費用安価中程度高め
電気代高い高い低い
消耗品費高い(交換頻度が多い)低めほぼ不要(洗浄再生)
吸引力維持詰まると急激に低下比較的安定極めて安定
微細粒子中程度(初期品は高い)苦手(素通りしやすい)非常に得意

フィルタ式(ろ過式)

ファンで吸引した空気をフィルタに通す最も一般的な方式です。導入費用が安いのがメリットですが、オイルミストは粘着性が高いため、短期間でフィルタが目詰まりを起こします。吸引力を維持するためには頻繁な予備フィルタの購入と交換作業が必要になり、長期的なランニングコストは膨らむ傾向にあります。

遠心分離式(サイクロン式)

吸い込んだ空気を高速で旋回させ、その遠心力で油分を壁面に叩きつけて分離させる方式です。フィルタを使用しない、あるいは補助的にしか使用しないため目詰まりの頻度は低いですが、1㎛(マイクロメートル)以下の非常に微細なミスト(油煙)は取りきれずに排出されてしまうという弱点があります。

電気集塵式(静電気式)

静電気の力を利用してミストを帯電させ、金属製の極板に吸着させる方式です。不織布のような物理的な網目で遮る構造ではないため、空気の通り道が広く、目詰まりによる風量低下が起こりにくいのが最大の特徴です。初期費用は高めですが、消耗品費を抑えられるためトータルコストで有利になります。

後悔しないための選定ポイント3選

単なる価格比較ではなく、現場の運用を見据えてチェックすべき項目を整理します。

対象ミストの大きさに合っているか

加工機から発生するミストの粒径は、加工条件や油の種類によって異なります。特に近年の高速加工機では、煙のような微細なミストが大量に発生します。安価な装置ではこれらを捕集しきれず、工場内に再拡散させてしまうことがあります。目に見えないレベルの粒子まで確実に捕らえられる性能があるかを確認してください。

ランニングコスト(電気代・消耗品)の試算

本体価格の安さだけで選ぶと、頻繁なフィルタ交換費用や、目詰まりによるファンへの負荷増大による電気代の高騰で、数年後にはトータルコストが逆転するケースが多く見られます。電気代が高騰している現在の情勢では、消費電力の低さも重要な選定基準です。

メンテナンスの容易さと体制

フィルタ交換や内部清掃は現場スタッフにとって大きな負担です。作業が面倒な装置は放置されやすく、結果として環境悪化を招きます。清掃が簡単であるか、あるいはメーカーによる定期的な点検・清掃サービスが受けられるかを確認しましょう。

現場の悩み「目詰まり」を解決する方法

ミストコレクターを導入した工場で最も多い不満は、使っているうちに吸わなくなるという問題です。この原因は、装置内部の圧力損失にあります。

なぜ吸引力は落ちるのか

フィルタ式の場合、油分がフィルタの繊維の隙間に溜まり、空気が通る道を物理的に塞いでしまいます。これが目詰まりです。目詰まりが進むと、ファンがどれだけ回転しても空気が流れなくなり、加工機内部を陰圧に保てなくなります。その結果、扉を開けた瞬間に内部に溜まっていたミストが一気に工場内に溢れ出し、環境を汚染してしまいます。

目詰まりしない構造を選ぶ重要性

安定した吸引力を維持するためには、油汚れが溜まっても空気の流れを妨げない構造を選ぶことが不可欠です。電気集塵式のように、金属プレートの間を空気がスムーズに流れる構造であれば、長期間にわたって強力な吸引力を維持できます。

目詰まりなしで強力除去を実現するリドエアートルネックス

オイルミスト対策における目詰まりと維持費の課題を解決するソリューションが、リドエアートルネックスの電子式集塵システムです。

電子式集塵フィルタで吸引力を持続

リドエアートルネックスは、プレートの間隔を広く取った独自の電子式集塵フィルタを採用しています。電気の力で粒子を極板に吸着させるため、物理的な網目が必要ありません。油を大量に吸い込んでも空気の通り道が塞がれないため、導入時の強力な吸引力が持続します。加工機から発生するミストを確実にキャッチし続けることで、床のベタつきや工場の霞みを根本から解消します。

消費電力を大幅カットする省エネ設計

空気抵抗が極めて少ないということは、ファンを回すためのエネルギーが少なくて済むことを意味します。一般的なフィルタ式製品と比較して、消費電力を大幅に削減することが可能です。例えば、個別設置型のRB600タイプであれば、消費電力を一般的な製品の約3分の1程度まで抑えることができます。固定費削減に大きく貢献する設計です。

メンテナンスはプロにお任せ

オイルミスト対策の大きな障壁であるメンテナンスの負担。リドエアートルネックスでは、メーカーの専門スタッフによる定期メンテナンスサービスを提供しています。面倒な集塵セルの洗浄や点検をアウトソーシングできるため、現場のスタッフが油汚れにまみれて作業する必要はありません。本来の生産業務に集中できる環境を整えつつ、常に最高のパフォーマンスでオイルミストを除去し続けることができます。

リドエアートルネックスの導入事例

大規模工場での労働安全と設備保護

  • 導入: 計41台のオイルミストコレクターを集中的に配置。
  • 効果: 床のスベリが解消され、作業員の安全性が向上。回収オイルの再利用も可能になりました。また、オイルミストによる業務用エアコンの負荷が軽減され、故障抑制・長寿命化にも貢献しています。

まとめ

オイルミスト除去装置は、単に設置すれば良いというものではありません。高い捕集効率で吸い込み続けることが最も重要です。

目詰まりによる性能低下や、終わりのないフィルタ交換費用、そしてそれらが原因で引き起こされる労災や失注といった経営リスクを考慮すれば、構造的に目詰まりしにくい電気集塵方式への切り替えが、結果として最もコストパフォーマンスの高い選択になります。

快適な空気環境は、従業員の健康を守るだけでなく、精密機器の故障を防ぎ、新規案件の獲得や優秀な人材の確保にも直結します。2026年の製造現場において、クリーンな環境は企業の競争力の源泉です。オイルミストのない、清潔で安全な工場作りを今こそ検討してみてはいかがでしょうか。

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