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屋外喫煙所の煙対策|周囲に広がらない設計と設備ポイント

多くの施設管理者にとって、屋外喫煙所の設置と運用は悩ましい課題の一つです。屋内が原則禁煙となったことで屋外に喫煙所を設けたものの、「煙が流れてくるとクレームが入る」「風の強い日は煙が広がってしまい対策にならない」といった声が寄せられることは少なくありません。

屋外は屋内と異なり、風向きや天候の影響をダイレクトに受けるため、煙の動きをコントロールすることが非常に困難です。単に灰皿を置いただけ、あるいは簡易的な囲いを設置しただけでは、十分な分煙対策とは言えません。近隣住民や施設の非喫煙者に配慮し、かつ喫煙者も快適に利用できる環境を作るためには、屋外特有の条件を踏まえた計画的な対策が必要です。

本記事では、屋外喫煙所で煙が拡散してしまう原因を整理した上で、効果的な設置場所の選び方、煙を周囲に漏らさないための設備、そして屋外設置に対応した高機能な喫煙ブースの選び方について解説します。

屋外喫煙所で煙が広がりやすい理由

屋外喫煙所における最大の問題は、意図しない方向への「煙の拡散」です。なぜ屋外ではこれほどまでに煙のコントロールが難しいのか、その物理的な要因と環境要因を理解することが対策の第一歩となります。

風向きと強さに左右される

屋内であれば、換気扇による一定の気流(排気)を作ることで煙の流れを制御できます。しかし、屋外では「自然風」が支配的です。 タバコの煙は非常に軽く、わずかな風でも数メートルから十数メートル先まで容易に運ばれてしまいます。風速が少し上がるだけで、煙は横方向に流され、設置したパーテーションを乗り越えて周囲に拡散します。特にビルの谷間などではビル風が発生しやすく、予測不能な方向へ煙が巻き上げられることもあります。 「風下だから大丈夫だろう」と考えていても、季節や時間帯によって風向きは変わるため、自然任せの対策では限界があるのが実情です。

囲いがないと煙が滞留しにくい

煙を排気設備で吸い込むためには、ある程度煙を一箇所に留めておく必要があります。しかし、屋外の開放的な空間では、吐き出された煙は瞬時に拡散し、薄まりながら広がっていきます。 囲い(壁や屋根)が不十分な喫煙所では、煙を捕集することが物理的に不可能です。結果として、広範囲に広がった薄い煙や臭いが、近隣の窓や換気口、通行人の鼻先へと届いてしまうことになります。これは「受動喫煙」のリスクを高めるだけでなく、「タバコ臭い」という不快感によるクレームの直接的な原因となります。

利用人数の影響

屋外喫煙所は、屋内よりも広いスペースを確保しやすい反面、一度に多くの人が利用する傾向があります。 利用人数が増えれば、当然発生する煙の総量も増えます。煙の量が増えると、上昇気流が強まり、低いパーテーションでは防ぎきれずに煙があふれ出してしまう現象(オーバーフロー)が起こりやすくなります。特に昼休憩などのピークタイムには、許容量を超えた煙が発生し、周囲への影響が顕著になるケースが多く見られます。

屋外喫煙所の煙対策の基本

屋外特有の拡散要因を踏まえた上で、どのような対策を講じるべきでしょうか。ここでは、設備投資を行う前に検討すべき基本的な対策と、物理的な対処法について解説します。

風向きに合わせた位置選定

最も基本的かつ重要なのが、設置場所の選定です。 施設の出入口、窓、通気口、人通りの多い通路からできるだけ離れた場所を選ぶことは大前提です。その上で、その場所の「卓越風向(年間を通じて最も頻繁に吹く風の向き)」を考慮します。 煙が建物側や人が集まる場所に流れないような位置を選ぶことが理想ですが、都市部や敷地に余裕がない工場などでは、最適な場所が見つからないことも多々あります。その場合は、後述する設備による対策を強化する必要があります。

そこで効果を発揮するのが、「屋外エアカーテン」の導入です。これは、強力な気流によって喫煙エリアから流出する煙を上方向に飛ばします。これにより、人のいる地上方向に煙は流出せず、そのまま上空へと逃げていくので、通行人や近隣への受動喫煙リスクを最小限に抑えられます。また、四方を物理的な壁で完全に囲う必要がなくなるため、圧迫感を軽減し、景観を損なわない開放的な分煙環境を実現できる点も大きなメリットです。


   ※屋外エアカーテン気流イメージ

屋外ブース、パーティションの設置

風の影響を軽減し、煙の拡散を物理的に抑えるために、ブースタイプの喫煙所やパーティションで喫煙エリアを囲うことは必須です。 この際、重要なのは「高さ」と「隙間」です。腰の高さ程度の囲いでは煙は簡単に乗り越えてしまいます。立った状態で喫煙することを想定し、少なくとも2メートル以上の高さがあるパネルで囲うことが望ましいでしょう。 また、上部が開いている仕様(欄間オープン)や、足元が空いている仕様では、そこから風が吹き抜けて煙が漏れ出す原因になります。可能な限り隙間を減らし、風の通り道を遮断することで、煙の滞留性を高めることができます。

排気と吸引を組み合わせる

ブース型を作るだけでは、中に煙が充満し、喫煙者自身が苦しくなるだけでなく、結局は上部から煙があふれ出してしまいます。そのため、屋外であっても「排気・吸引」の仕組みを組み合わせることが効果的です。 しかし、単に換気扇をつけて煙を外に出すだけでは、排気口の先でまた煙が広がるだけです。重要なのは、「浄化して排気する」あるいは「煙を吸い込んで拡散させない」というアプローチです。 例えば、囲いの中に強力な分煙機を設置して煙を吸い込ませる、あるいは脱臭機能付きの排気ユニットを設置して、臭いを低減してから放出するといった対策が、近隣トラブルを防ぐためには有効です。

屋外用喫煙設備の種類

屋外の煙対策を実現するための設備には、いくつかの種類があります。予算や設置環境、求められる対策レベルに応じて適切なものを選びましょう。

パーテーション型

最も簡易的で導入コストが安いタイプです。アルミやスチール、ポリカーボネートなどのパネルで喫煙エリアを囲います。 目隠し効果があり、ある程度の風除けにはなりますが、上部が開放されているため、煙の拡散防止効果は限定的です。煙対策というよりは、「喫煙場所の明示」や「分煙の意思表示」としての側面が強くなります。近隣に住宅や通行人がいない、広大な敷地の中央などに設置する場合に適しています。

屋外ブース型(コンテナ・プレハブ)

屋根と壁で完全に囲われた、小屋のようなタイプです。 雨風を完全にしのげるため、全天候型として利用できます。密閉性が高いため、煙が周囲に漏れ出すリスクを物理的に遮断できるのが最大のメリットです。 ただし、内部に煙がこもるため、強力な換気設備が必須となります。その排気がそのまま外に出ると臭いの原因になるため、排気口の向きや位置に細心の注意を払うか、脱臭フィルターの取り付けが必要になります。また、建築基準法上の「建築物」として扱われることが多く、設置には確認申請などの手続きが必要になる場合があります。

換気機能付きブース(脱臭機能付き)

屋外ブース型に、高性能な空気清浄・脱臭機能を組み込んだタイプです。 ブース内で発生した煙をファンで強力に吸い込み、フィルタを通して浄化してから排気します。単に煙を外に出すだけでなく、臭いや有害物質を取り除いてから放出するため、周囲への影響を最小限に抑えることができます。 「敷地境界線ギリギリに設置したい」「近隣から臭いのクレームが来ている」といった、高いレベルでの対策が求められるケースで最も推奨される設備です。

屋外対応 喫煙ブースの特徴

「屋外に設置したいが、近隣への臭い漏れは絶対に防ぎたい」「建築工事のような大掛かりな手間はかけたくない」 こうしたニーズに応えるのが、トルネックスが提供する「屋内外対応 喫煙ブース」です。屋内用で培った高い分煙技術を、屋外でも使える耐久性のあるボディに搭載した製品です。

煙の吸引処理による拡散防止

トルネックスの屋外喫煙ブースは、独自の気流制御技術により、タバコの煙を発生源から素早く吸引します。 ブース内部に計算された空気の流れを作ることで、ドアの開閉時にも煙が外に漏れ出すのを防ぎます。風の影響を受けやすい屋外であっても、ブース内という守られた空間で確実に煙を捕集するため、風向きを気にすることなく設置場所を選ぶことができます。

高性能フィルタで臭いと煙を処理

最大の特徴は、その高い浄化能力です。 吸い込んだ煙は、内部の高性能フィルタシステムを通過します。ここでは、煙の粒子だけでなく、タバコ特有の悪臭ガス成分も吸着・除去されます。 浄化されたクリーンな空気が排気されるため、ブースのすぐ外を人が通ってもタバコ臭さを感じさせません。「換気扇から出る煙が臭い」という、屋外喫煙所で最も多いトラブルを根本から解決します。

屋外環境に適した構造

屋内外対応モデルは、風雨や直射日光に耐えうる堅牢な設計になっています。 錆に強い素材を使用し、防水対策も万全です。また、ユニット型であるため、大規模な建築工事を行うことなく、比較的短期間で設置が可能です。 さらに、エアコンの取り付けが可能な仕様になっている点も大きなメリットです。夏場の猛暑や冬場の寒さの中でも、快適な喫煙環境を提供できるため、利用者がブースの外で吸ってしまう「はみ出し喫煙」の防止にもつながります。

喫煙環境整備を支えるトルネックスのサポート

トルネックスでは、製品の提供だけでなく、設置前の環境調査から導入後のメンテナンスまで、トータルでサポートを行っています。

屋外喫煙所の設置において最も難しいのは、「どこに、どのような向きで置くか」という判断です。トルネックスの専門スタッフは、現地の風向きや人通り、隣接する建物との距離などを確認し、煙の影響が最も出にくいレイアウトを提案します。 また、設置後もフィルタ交換や清掃などの定期メンテナンスサービスを提供しているため、常に高い脱臭性能を維持し続けることができます。管理者の手を煩わせることなく、長期にわたってクリーンな喫煙環境を保つことが可能です。

商業施設、オフィスビル、工場、大学など、さまざまな施設での導入実績があり、それぞれのロケーションに合わせた最適な煙対策を提案できるのが強みです。

屋内外対応喫煙ブース+ 高性能プラズマ集塵脱臭装置の導入事例

千葉県の空港では、国際交流を支える国際拠点空港として、トルネックスの屋内外対応喫煙ブース+ 高性能プラズマ集塵脱臭装置を導入いたしました。

■千葉県/空港
■屋内外対応喫煙ブース+ 高性能プラズマ集塵脱臭装置

まとめ

屋外喫煙所の煙対策は、単に場所を囲うだけでは不十分です。風の影響を考慮し、煙を確実に捕集・浄化する仕組みを取り入れることが、周囲への配慮とトラブル防止の鍵となります。

特に、近隣との距離が近い場所や、人通りの多い場所に設置する場合は、脱臭機能を備えた喫煙ブースの導入が最も効果的です。トルネックスの屋内外対応ブースなら、天候に左右されず、臭い漏れのない快適な分煙環境を実現できます。

「現在の屋外喫煙所の煙漏れをなんとかしたい」「敷地のどこに設置すればいいか相談したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

屋外喫煙所の設置や煙対策の相談はWEB面談でも案内できます。専門スタッフがお客様の施設の状況に合わせて、最適な解決策をご提案します。

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