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分煙化の基本と方法|分煙ボックス・設備の選び方

「オフィスに従業員が戻ってきたため、閉鎖していた喫煙所を再開したい」 「以前、全面禁煙にしたが、路上喫煙や業務効率の低下が問題になり、分煙を見直したい」

昨今、こうした相談が急増しています。分煙化は、受動喫煙を防ぎつつ、喫煙者と非喫煙者の双方が快適に過ごせる環境づくりに欠かせません。しかし、いざ導入しようとすると「何を設置すればよいのか」「限られたスペースでも可能なのか」「法律の基準はどうなっているのか」など、多くの疑問に直面します。

本記事では、分煙化の基本的な考え方から、喫煙室・分煙ボックス・屋外施設といった具体的な手法の違い、そして自社に合った設備の選び方を整理して解説します。あわせて、多様な分煙ニーズに対応するトルネックスのソリューションについても紹介します。

分煙化とは|目的と基本の考え方

まずは「分煙化」の定義と、なぜ今、企業のオフィスや施設で分煙化が再注目されているのか、その背景を整理します。

分煙化の目的

分煙化とは、喫煙する場所としない場所を空間的に明確に分け、たばこの煙や臭いが非喫煙エリアに漏れないように対策することです。 最大の目的は「望まない受動喫煙の防止」です。単に場所を分けるだけでなく、換気設備やパーティション、高性能なフィルタなどを用いて、空気環境を制御することが求められます。これにより、非喫煙者の健康を守ると同時に、喫煙者にとっても気兼ねなく休息できる環境を提供し、組織全体の生産性向上やトラブル防止につなげることができます。

分煙化と禁煙の違い

よく混同されるのが「完全禁煙」です。敷地内を完全に禁煙にすれば、設備投資は不要になり、管理も楽になるように思えます。しかし、喫煙者が敷地外の路上や近隣のコンビニエンスストアなどで喫煙してしまい、近隣住民からのクレームに発展したり、長時間離席による業務効率の低下を招いたりするケースが少なくありません。

「吸わせない(禁止)」のではなく、「ルールを守って吸える場所を作る(分煙)」ことで、結果としてマナー向上や環境美化につながるという考え方が、分煙化の基本です。

 

企業に求められる分煙化の背景

日本のオフィスにおける分煙化のトレンドは、法令や社会情勢とともに変化してきました。

  • 2019年〜2020年(改正健康増進法施行):
    より厳格な基準(技術的基準)が設けられ、多くの企業が法令適合のための改修を検討しました。しかし、同時期に新型コロナウイルスが流行。在宅勤務が急速に普及し、オフィスの人口密度が低下したため、喫煙所を閉鎖したり、法令対応をうやむやにしたりするケースが相次ぎました。
  • 現在(オフィス回帰と再整備):
    コロナ禍が明け、業務の生産性向上やコミュニケーション活性化の観点から「オフィス回帰」の動きが加速しています。オフィスに人が戻ったことで、一度は禁煙化したオフィスが再び喫煙所の設置を検討したり、うやむやになっていた「改正健康増進法への適合化」を急いだりするニーズが高まっています。

今、企業には、変化した働き方やコンプライアンスに合わせて、改めて「適切な喫煙環境」を整備し直すことが求められているのです。

 

分煙化の種類と設備の特徴

分煙化を実現する方法は一つではありません。建物の構造、予算、スペース、そして「どう運用したいか」によって最適な選択肢は異なります。ここでは代表的な3つの手法について解説します。ご自身の施設ならどれが当てはまりそうか、イメージしながら読み進めてください。

喫煙室タイプ(屋内喫煙専用室)

部屋全体を喫煙スペースとして区画し、排気設備を整える、最もスタンダードな方法です。

  • 特徴:
    壁と扉で密閉された空間を作り、排気ダクトを通じて煙を屋外へ排出します。改正健康増進法の基準(入口風速0.2m/s以上など)を満たす必要があります。
  • メリット:
    複数人が同時に利用できる広いスペースを確保しやすく、既存の部屋を転用できる場合があります。
  • こんな場合におすすめ:
    • ある程度の広さが確保できる会議室や倉庫などの空き部屋がある。
    • 屋外への排気ダクト工事が可能である。
    • 利用人数が多く、ゆったりとしたスペースを作りたい。

※排気ダクトの工事が難しい場合でも、後述する脱臭装置(高性能プラズマ集塵脱臭装置)を組み合わせることで、基準を満たした喫煙室を作ることが可能です。

 

分煙ボックス・分煙ブース

大掛かりな工事不要、組み立てて設置できる、箱型のパッケージ製品です。

  • 特徴:
    1人用から数人用までサイズが豊富で、コンセントがあれば設置できる製品も多くあります。高性能な脱臭フィルタで煙を除去し、きれいな空気を室内に戻す「循環型」が主流ですが、屋外排気につなげるタイプもあります。
  • メリット:
    大掛かりな設備工事が不要で、工期が短く、導入コストを抑えやすいのが特徴です。レイアウト変更時の移設も比較的容易です。
  • こんな場合におすすめ:
    • 喫煙室を作るほどの空き部屋がない(デッドスペースを活用したい)。
    • テナントビルで、天井裏のダクト工事ができない、または許可が下りない。
    • 短期間で導入したい。

屋外分煙施設

屋内を全面禁煙とし、敷地内の屋外に喫煙所を設ける方法です。

  • 特徴:
    建物の外にプレハブやコンテナ型の喫煙所、あるいはパーティションで囲った喫煙エリアを設置します。
  • メリット:
    屋内の貴重なスペースを執務エリアとして有効活用できます。また、屋外であれば屋内ほど厳格な技術的基準(数値規制)はありません(※ただし、近隣への配慮義務はあります)。
  • こんな場合におすすめ:
    • 屋内にどうしてもスペースが確保できない。
    • 敷地(駐車場や空地)に余裕がある。
    • 屋内での臭い漏れリスクを完全にゼロにしたい。

分煙化のメリットと注意点

分煙化を進めることで得られるメリットは大きいですが、計画段階で見落としがちな注意点もあります。

分煙化のメリット

  1. 受動喫煙の防止と法令遵守:
    改正健康増進法の基準をクリアすることで、従業員の健康を守り、コンプライアンス(法令遵守)リスクを回避できます。
  2. トラブルとクレームの削減:
    「臭い」「煙たい」といった非喫煙者からのクレームや、近隣での路上喫煙トラブルを未然に防ぎます。
  3. 施設・企業のイメージ向上:
    適切に環境整備された施設は、利用者や従業員への配慮が行き届いているという好印象を与え、採用活動やテナント誘致においてもプラスに働きます。

分煙化の注意点と課題解決

一方で、導入後に「失敗した」と感じるケースの多くは、以下の点に起因します。

  • 吸引・換気能力の不足:
    一般的な換気扇をつけただけでは、ドアの開閉時に煙が漏れたり、服に臭いが染み付いたりすることがあります。 
    【解決策】 必ず入口風速0.2m/s以上を確保できる排気風量を計算し、不足する場合は専用の分煙機や脱臭装置を併用しましょう。
  • 設置場所の選定ミス:
    人通りの多い場所や、執務スペースのすぐ隣に設置すると、出入り時の微量な煙漏れでも気になるという声があがるケースがあります。 
    【解決策】 人の動線を考慮した配置にするか、出入り口に「消臭効果のあるエアカーテン」などを設置して遮断性を高めましょう。
  • メンテナンスの手間:
    フィルタ交換や清掃が面倒で放置され、性能が落ちてしまうケースがあります。
    【解決策】 メンテナンスサポートが充実しているメーカーを選び、定期的な管理をアウトソーシングするのも一つの手です。

分煙脱臭ブース(IKBJP)の特徴

「手軽に導入したいが、性能には妥協したくない」という場合に有力な選択肢となるのが、トルネックスの分煙脱臭ブース「IKBJP」シリーズ(以下、IKBJP)です。ここでは、その特徴を詳しく見ていきます。

製品構造とスペース性

IKBJPは、組立式のユニット型ブースです。

  • 省スペース:
    4人用、8人用などのサイズ展開があり、オフィスの隅や廊下の一角など、限られたスペースに合わせて設置できます。
  • 簡単設置:
    大掛かりな建築工事やダクト工事が不要な「循環型」を選択できるため、電源さえあればすぐに喫煙所を開設できます。賃貸オフィスでの原状回復も容易です。

吸引・フィルタ・脱臭性能

トルネックスの最大の強みは、長年培った「空気をきれいにする技術」です。

  • 強力な吸引:
    独自の気流制御技術により、たばこの煙が拡散する前に素早く吸引します。
  • 高性能フィルタ:
    特殊な吸着剤を使用したフィルタにより、タバコ特有の3大臭気(アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸)や、法令で定められた総揮発性有機化合物(TVOC)を95%以上除去します。
  • 粉じん除去:
    浮遊粉じんもしっかり捕集し、クリーンな空気を排気します。これにより、屋内排気(循環)でも周囲に臭いや汚れを撒き散らしません。

詳細な仕様やメカニズムについては、トルネックス製品ページ(分煙脱臭ブース IKBJP)をご確認ください。

メンテナンス性

ブース内には人感センサーが搭載されており、人が入ったときだけ自動運転するため、無駄な電気代がかかりません。また、フィルタの交換時期や清掃のタイミングも分かりやすく、メーカーによる定期メンテナンス契約を結べば、常に最高の性能を維持することができます。

分煙環境の整備を支えるトルネックスの強み

分煙化には、「これが正解」という唯一の答えはありません。企業の数だけ、最適な形があります。だからこそ、特定の機器しか扱っていない業者ではなく、あらゆる手法に対応できるパートナーを選ぶことが成功の鍵です。

トルネックスは、分煙対策のパイオニアとして、以下の全方位的なソリューションを持っています。

「ブースを置きたい」だけでなく、「今の喫煙室を直したい」「屋外に作りたい」といった、どのような要望に対しても、法令適合性と快適性を両立した提案が可能です。

まとめ

分煙化は、オフィス回帰が進む現代において、企業の生産性と従業員満足度を左右する重要なファシリティ戦略です。 「喫煙室を作る」「ボックスを置く」「屋外にする」など選択肢は多岐にわたりますが、重要なのは「自社の利用状況と建物の条件にマッチしているか」そして「法令基準を確実にクリアし、臭いトラブルを防げるか」という点です。「うちはどの方法がベストなのか分からない」「既存の喫煙所をどう改修すべきか診断してほしい」など、分煙化に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひWEB面談をご利用ください。 トルネックスの専門スタッフが、お客様の図面や現状をヒアリングし、数ある選択肢の中から最も合理的で効果的なプランを、フラットな視点でご提案いたします。

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