オフィスや商業施設、工場などで喫煙所を新設・改修する際、最も気になるポイントの一つが「費用」ではないでしょうか。喫煙所の設置費用は、屋内か屋外かといった設置場所の違いや、工事を伴う「喫煙室」にするか、ユニット型の「喫煙ブース」を導入するかによって大きく変動します。
また、導入時にかかる初期費用(イニシャルコスト)だけでなく、運用開始後にかかる電気代やメンテナンス費用(ランニングコスト)も考慮しなければ、長期的な予算計画は立てられません。
本記事では、喫煙所の種類ごとの費用相場や見積もりの内訳、維持管理にかかるコストについて詳しく解説します。あわせて、コストパフォーマンスと法令遵守を両立するトルネックスの分煙ソリューションについても紹介します。

喫煙所の種類と費用の違い
喫煙所には大きく分けて「屋内喫煙室(造作工事)」「屋外喫煙所(プレハブ・コンテナ等)」「喫煙ブース(ユニット型)」の3つのタイプがあります。それぞれの特徴と、費用が発生するポイントについて解説します。
屋内喫煙室の費用相場
建物の空き部屋やスペースを利用し、壁やパーティションで仕切って作るタイプです。
費用相場は、施工する面積や既存設備の状況によって大きく異なりますが、一般的には数十万円から、規模によっては数百万円単位の工事になることも珍しくありません。
費用が変動する主な要因は以下の通りです。
- 区画工事費
天井から床まで隙間なく壁を立てる工事費用です。ガラスパーティションなど意匠性の高い素材を使えば費用は上がります。 - 換気設備工事費
改正健康増進法の基準(入口風速0.2m/s以上)を満たす強力な換気扇と、屋外へ排気するためのダクト工事が必要です。排気口までの距離が長い場合や、テナントビルで壁の穴あけ加工が難しい場合は、工事費が高騰します。 - 電気・消防設備工事費
照明やスイッチの増設に加え、スプリンクラーや火災報知器の移設・増設が必要になることがあり、これらが意外なコスト要因となります。
屋外喫煙所の費用相場
建物の外や屋上に設置するタイプです。簡易的な囲いだけのものから、エアコン完備のコンテナハウス型まで様々です。
しっかりとした屋根と壁のあるプレハブやコンテナタイプの場合、本体価格だけで数十万円から数百万円程度が相場となります。
屋外特有の費用発生ポイントは以下の通りです。
- 基礎工事費
台風や地震で倒壊しないよう、地面にコンクリート基礎を作る工事が必要です。 - 運搬・設置費
完成品のユニットをトラックで運んでクレーンで設置する場合、重機の手配費用がかかります。 - 建築確認申請費
土地に定着する屋根付きの工作物は「建築物」とみなされるため、役所への建築確認申請が必要になるケースが多く、設計費用や申請手数料が発生します。
ブース型喫煙所の費用相場
屋内の空きスペースに設置する、箱型のユニット製品です。
1人用から数人用までサイズは様々で、価格帯も数十万円から数百万円と幅広いです。
ブース型の特徴は、建築工事が不要(または最小限)である点です。
「循環型(脱臭機能付き)」を選べば、排気ダクト工事も不要になるため、トータルの導入コストを抑えやすい傾向にあります。本体価格は喫煙室を作る工事費と同等かそれ以上になることもありますが、工期が短く、移設が可能であるという資産価値を考慮すると、コストパフォーマンスに優れる選択肢と言えます。
設置費用の内訳と必要な項目
見積もりを取る際、提示された金額が高いのか安いのか判断するためには、内訳を理解しておく必要があります。本体価格以外にかかる「見えない費用」にも注意が必要です。

本体費用
喫煙ブースやプレハブ喫煙所における、製品そのものの価格です。
価格差は主に以下の要素で決まります。
- サイズと収容人数
当然ながら、サイズが大きく収容人数が多いほど高くなります。 - 脱臭・集塵性能
単に煙を排気するだけのものより、高性能なフィルタやプラズマ脱臭機能を備え、室内に排気しても臭わないレベルまで浄化できる製品の方が高価になります。しかし、ダクト工事費が浮くことを考えれば、総額では安くなるケースもあります。 - デザインと素材
スチール製のシンプルなものから、木目調やガラス張りのデザイン性の高いものまであり、素材によって価格が変わります。
工事費用
製品を設置し、使える状態にするための費用です。
- 組立・設置費
専門スタッフによる搬入と組み立て作業の費用です。 - ダクト工事費
屋外排気を行う場合、天井裏を通して外壁まで配管をつなぐ工事です。距離が長いほど、また曲がり角が多いほど高額になります。 - 電気工事費
換気扇や集塵機、照明を動かすための電源を確保する工事です。製品によってはコンセントに挿すだけで済む場合もあります。 - 消防設備工事費
屋内に設置する場合、スプリンクラーの散水障害を避けるための移設工事や、感知器の増設が必要になることがあります。
付帯設備の費用
快適な喫煙環境を維持するためのオプション費用です。
- 人感センサー
省エネ運転のために、人の出入りを検知して自動稼働させる機能です。 - 灰皿・椅子
吸い殻消火機能付きのスタンド灰皿や、ベンチなどの備品です。 - 消火装置
ブース内に設置する簡易自動消火装置などです。
ランニングコストと維持管理
喫煙所は「作って終わり」ではありません。導入後に発生する維持費(ランニングコスト)も、機種選定の重要な判断材料です。
フィルタ交換・メンテナンス費用
分煙機や脱臭機能付きブースを使用する場合、最も大きなウェイトを占めるのがフィルタ交換費用です。
タバコの煙にはタール(ヤニ)が含まれており、フィルタは必ず汚れます。目詰まりしたまま使い続けると、吸引力が低下して煙が漏れ出し、法令基準(風速0.2m/s)を下回る恐れがあります。
- 交換頻度
喫煙本数や機種によりますが、数ヶ月から半年に1回程度の交換や清掃が必要です。 - メンテナンス契約
メーカーや販売店と保守契約を結ぶことで、定期的な点検とフィルタ交換をアウトソーシングできます。月額費用はかかりますが、性能維持と管理の手間削減という点では合理的です。
電気代
換気扇や空気清浄機を稼働させるための電気代です。
一般的な換気扇であれば微々たるものですが、強力な集塵機や電気集塵機を使用する場合や、24時間常時運転させる場合はコストがかさみます。
人感センサー付きの機種を選び、利用者がいないときは自動で停止(または弱運転)するように設定することで、電気代を大幅に節約できます。
清掃・管理のコスト
ヤニ汚れや臭いの染み付きを防ぐための清掃コストです。
壁や床にヤニが付着すると、専門業者によるクリーニングや壁紙の張り替えが必要になります。これを防ぐためには、日常的な拭き掃除に加え、煙を室内に拡散させずに素早く捕集する「高性能な分煙機」の導入が効果的です。
初期費用をケチって換気能力の低い設備を入れると、結果的に清掃や修繕のコストが高くつく可能性があります。
費用を最適化する設備選びのポイント
無駄なコストを抑えつつ、必要な機能を備えた喫煙所を作るためのポイントを解説します。

必要性能と利用人数のバランス
「大は小を兼ねる」と考えがちですが、必要以上に大きな喫煙所やハイスペックな機器は、導入費も維持費も無駄になります。
逆に、コストを削りすぎて利用人数に対して狭すぎたり、換気能力が不足していたりすると、煙が溢れてクレームの原因となり、追加対策で余計な出費が発生します。
1日あたりの喫煙者数や、ピーク時に同時に利用する人数を正確に把握し、適正なサイズと処理能力を持つ設備を選ぶことが、最もコスト効率の良い方法です。
工事の有無による比較
テナントオフィスや、将来的にレイアウト変更の可能性がある場合、「工事不要」のメリットは金額以上に大きくなります。
建築工事で作った喫煙室は、移転時に解体・廃棄しなければならず、原状回復費用もかかります。一方、組立式の喫煙ブースであれば、分解して新オフィスへ持っていくことができます。
長期的な視点で資産として活用できるかどうかも、費用対効果を判断する基準となります。
例えば、1人用や少人数用の「分煙脱臭ブース」であれば、省スペースで設置でき、大掛かりな工事も不要なため、スモールスタートでの分煙対策に最適です。
補助金の活用
国や自治体では、受動喫煙防止対策を行う事業者に対して、喫煙室の設置費用の一部を助成する制度を設けている場合があります。
(例:厚生労働省「受動喫煙防止対策助成金」など)
要件を満たせば、工事費や設備費の1/2〜2/3程度が補助されるケースもあるため、導入前に必ず確認し、活用を検討しましょう。ただし、申請には法令基準を満たす設備であることが必須条件となります。
基準を満たす喫煙所づくりを支えるトルネックス
費用対効果が高く、法令基準を確実に満たす喫煙所をお探しなら、分煙対策の専門メーカーであるトルネックスにご相談ください。
トルネックスでは、工事不要で設置できる屋内用「分煙脱臭ブース(IKBJP)」をはじめ、屋内外の様々な環境に対応した製品ラインナップを取り揃えています。

トルネックスを選ぶメリット
- 法令適合の保証
厚生労働省が定める技術的基準(TVOC除去率95%以上など)をクリアした高性能な脱臭・集塵機能を搭載。安心して導入いただけます。 - 工事費の削減
ダクト工事が不要な循環型ブースなら、コンセント一つで設置可能。建築工事や設備工事のコストを大幅にカットできます。 - トータルサポート
導入前の風速測定や設置場所の提案から、助成金申請のサポート、導入後の定期メンテナンスまで、ワンストップで対応します。
具体的な製品価格や、お客様の環境に合わせた設置費用の概算については、個別の要件をヒアリングした上で最適なプランをご提示します。
まとめ
喫煙所の設置費用は、屋内か屋外か、工事を行うかブースを置くかによって大きく異なります。
目先の本体価格だけでなく、工事費、電気代、メンテナンス費を含めた「トータルコスト」で比較検討することが重要です。また、安価な設備を選んで法令基準を満たせなかったり、すぐに故障してしまったりしては元も子もありません。
長期的な視点で、法令遵守、快適性、コストパフォーマンスのバランスが取れた設備を選ぶことが、成功への近道です。
「自社の予算でどのような喫煙所が作れるか知りたい」「見積もりの内訳について相談したい」という方は、ぜひWEB面談をご利用ください。専門スタッフがお客様の状況に合わせた最適なシミュレーションを行います。
