オフィスや店舗の移転、あるいはレイアウト変更の際に、不要になったオフィス家具が中古市場に出回ることはよく知られています。デスクやチェアと同様に、喫煙所で使用されていた「分煙機」もまた、中古品として流通しています。
分煙機は新品で購入するとそれなりの費用がかかるため、予算を抑えたい事業者にとって中古品は魅力的な選択肢に見えるかもしれません。しかし、机や椅子とは異なり、分煙機は精密な機械であり、消耗品の塊でもあります。安易に中古品を選ぶと、後から思わぬ出費やトラブルに見舞われるリスクがあります。
本記事では、中古分煙機が流通する背景やメリットだけでなく、購入前に必ず知っておくべき注意点やリスクについて詳しく解説します。あわせて、長期的に安心して利用できる新品の分煙脱臭ブースについても紹介します。

中古分煙機とは
まずは、中古の分煙機がどのような経緯で市場に出回り、新品と比べてどのような違いがあるのか、基本的な情報を整理します。

中古として流通する主な理由
中古市場で販売されている分煙機の多くは、オフィスの移転や縮小、店舗の閉店、あるいはリース契約の満了に伴って引き上げられた製品です。
また、2020年の改正健康増進法の施行により、従来の分煙機では法令基準(屋外排気や特定の技術的基準)を満たせなくなり、新しい設備に入れ替えたことで不要になった旧型機が市場に流れているケースもあります。
外観はきれいに清掃されていても、内部の使用状況や稼働時間は前の所有者によって大きく異なります。数年しか使われていないものもあれば、過酷な環境で長期間フル稼働していたものも混在しており、そのコンディションは千差万別です。
分煙機の基本構造
分煙機の良し悪しを判断するためには、その仕組みを理解しておく必要があります。一般的な分煙機は、以下の3つの要素で構成されています。
- 吸引機構(ファン・モーター)
タバコの煙を吸い込むための心臓部です。強力なファンで気流を作り、煙が拡散する前に捕集します。 - 集塵フィルタ
煙に含まれる粒子状物質(粉塵やタール)を物理的にろ過、または電気的に吸着して除去します。 - 脱臭フィルタ
煙に含まれるガス状物質(ニオイ成分)を、活性炭や特殊吸着剤などで除去します。
これらの部品はすべて、使用するたびに消耗・劣化していきます。特にフィルタは汚れを蓄積することで性能を発揮するため、寿命のある消耗品です。また、ファンを回すモーターも、経年劣化により吸引力が徐々に低下したり、異音が発生したりする可能性があります。
中古と新品の違い
新品と中古品の最大の違いは、「性能の保証」と「消耗品の残量」です。
新品であれば、カタログスペック通りの吸引力と脱臭性能が保証されており、フィルタも未使用の新品が入っています。メーカー保証も付帯するため、初期不良の際も安心です。
一方、中古品の場合、カタログスペックはあくまで「新品時の性能」であり、現在の性能を保証するものではありません。フィルタがどの程度汚れているか、モーターがあとどのくらい持つかは、外見からは判断できないことがほとんどです。メーカー保証も切れているケースが大半であり、購入後のトラブルは自己責任となるのが一般的です。
中古分煙機を選ぶメリット
リスクがあるとはいえ、中古分煙機が選ばれるのには理由があります。ここでは、中古品ならではのメリットを整理します。
初期費用を抑えられる
最大のメリットは、やはり導入コストの安さです。
新品の分煙機や喫煙ブースを導入する場合、数十万円から百万円単位の費用がかかることが一般的です。これに対し、中古品であれば、定価の半額以下、場合によっては数分の一の価格で販売されていることもあります。
「とにかく初期投資を抑えたい」「予算の承認が下りないが、どうしても喫煙対策が必要」といった事情がある場合、この価格差は大きな魅力となります。
短期間の利用に適している
建設現場の仮設事務所や、期間限定のイベント会場など、使用期間が決まっている場合にも中古品は適しています。
数ヶ月から1年程度で撤去することがわかっているなら、新品を購入して減価償却するよりも、安価な中古品を使い捨て感覚で導入する方が経済合理性が高い場合があります。ただし、この場合でも最低限の性能が維持されていることが前提となります。
在庫があればすぐ導入できる
新品の場合、受注生産であったり、メーカー在庫が欠品していたりと、発注から納品までに数週間から1ヶ月程度の時間がかかることがあります。
一方、中古品は現品販売が基本であるため、在庫さえあれば即座に購入し、数日中に設置することが可能です。「急な監査が入ることになった」「クレーム対応ですぐに設置したい」といった緊急のニーズには、中古品の即納性が役立つことがあります。
中古分煙機の注意点
価格や納期のメリットがある一方で、中古分煙機には「購入してみないとわからない」リスクが数多く潜んでいます。安易に購入して後悔しないよう、以下の注意点を必ず確認してください。
フィルタが劣化している可能性
中古分煙機を購入する際、最も注意すべきなのがフィルタの状態です。
販売店によっては、外装のクリーニングは行っていても、内部のフィルタまでは交換していないケースが多々あります。さらに厄介なのは、フィルタの汚れ具合は外から見ただけでは判断しづらいという点です。
「見た目はきれいだから大丈夫だろう」と思って購入し、電源を入れた途端に「フィルタ交換サイン」のアラームが鳴り響く、というトラブルは珍しくありません。
分煙機のメンテナンス作業は基本、メーカーが洗浄済みのフィルタとの交換作業となりますが、中古で購入した上で、メンテナンスをメーカーに依頼した際に、フィルタが故障していると、メーカーからフィルタ代金(数万~数十万)を求められるケースがあります。
性能が新品より低下している場合
分煙機の性能は、フィルタの詰まり具合とモーターの力に依存します。
中古品の場合、経年劣化によってモーターの回転数が落ちていたり、ファンの羽にヤニが固着してバランスが崩れていたりすることがあります。その結果、カタログ値のような風量が出ず、煙を吸い込みきれないという問題が発生します。
また、脱臭フィルタの寿命が切れていると、吸い込んだ空気をそのまま吐き出すだけになり、部屋中にタバコの臭いを拡散させる装置になってしまいます。
メンテナンスが受けられないリスク
これが最も深刻な問題です。
中古市場に出回っている機種の中には、すでにメーカーが生産を終了し、保守部品の供給も終わっている「廃盤モデル」が含まれていることがあります。
もし購入した機械が故障した場合、修理を依頼しようとしても「部品がないため修理できません」と断られてしまう可能性があります。
また、現行モデルであっても、中古品(セカンドユーザー)に対してはメンテナンス契約を結んでくれないメーカーもあります。分煙機は定期的なメンテナンスが不可欠な設備ですが、プロによる点検や修理が受けられないとなると、自社で管理し続けなければなりません。
購入前に必ずメーカー名と型式を確認し、現在もメンテナンス対応が可能な機種かどうかをメーカー窓口に問い合わせることが必須です。
保証やサポートがないケース
多くの中古品は「現状渡し」であり、保証期間が全くないか、あっても「納品後1週間以内の初期不良のみ対応」といった短い期間に限られる場合があります。
使用開始から1ヶ月後に故障した場合、修理費は全額自己負担となります。モーター交換などの重修理になれば、修理費だけで中古の購入価格を超えてしまうこともあります。
長期的に安定して運用したいのであれば、保証のない中古品はリスクが高すぎると言わざるをえません。
衛生面とニオイの蓄積
分煙機は、タバコの煙という「汚れ」を吸い込む機械です。
前の所有者の元で長期間使われていた機械の内部には、大量のタール(ヤニ)が付着しています。筐体の内側やファンの裏側など、分解清掃しないと届かない場所に染み付いた強烈なニオイは、簡単には取れません。
設置した部屋に、機械自体から発する古びたタバコ臭が漂い、かえって環境を悪化させる可能性もあります。
トルネックスの分煙機・分煙脱臭ブース
中古品のリスクを考慮すると、やはり新品で、かつ信頼できるメーカーの製品を選ぶことが、長い目で見たときのコストパフォーマンスと安心につながります。
分煙対策の専門メーカーである株式会社トルネックスは、法令遵守と快適な空気環境を両立する製品を提供しています。
トルネードカウンター
- 強力な吸引・遮断
独自技術により吸込口に人工的な竜巻気流を形成することで、通常のカウンター型よりも広範囲の煙を強力に吸引し、煙の拡散を防止します。 - 高い集塵・脱臭性能
プレフィルタ、2段荷電式電気集塵機(メイン)、特殊活性炭フィルタの3段階で、タバコの粉塵を95%以上除去・脱臭します。 - 省エネ・衛生機能を標準搭載
人感センサやホコリセンサによる自動・省エネ運転に加え、シャープ株式会社のプラズマクラスター技術を搭載し、清潔な空気環境を維持します。
トルネックスカウンター
- 大風量・ハイパワー
処理風量30m³/minという強力な吸引力で、標準で約8名の同時利用に対応。オフィスや商業施設など、利用者が集中する喫煙所でも素早く煙を捕集します。 - 自動省エネ運転と空間浄化機能
「人感センサ」と「ホコリセンサ」で無駄な運転をカットし省エネを実現するとともに、シャープ株式会社の「プラズマクラスター」技術を標準搭載し、空間の浮遊菌や付着臭に対応します。
クリーンキューブ
- コンパクト・省スペース設計
トルネックス製品の中で最小クラスのサイズで、場所を取らずに設置可能で、キャスター付きのため移動も簡単です。 - 「ダイレクト吸引方式」と高性能フィルタ
タバコの煙を直接吸い込む「ダイレクト吸引方式」を採用。電気集塵機と特殊活性炭フィルタにより、高い浄化能力を持ちます。
メーカー直販ならではの安心感
トルネックスでは、導入前の風速測定による現状診断や、設置場所の提案、さらには助成金申請のサポートまで行っています。
「中古を買って失敗したくない」「確実に法令を守れる設備を入れたい」というお客様に対し、責任を持って最適なソリューションを提供します。
まとめ
中古の分煙機は、一見すると初期費用を安く抑えられる魅力的な選択肢に見えます。しかし、フィルタの汚れや性能低下、メンテナンスの可否など、購入前には見えないリスクが数多く潜んでいます。
「安く買ったはずが、フィルタ交換や修理費で高くついた」「故障しても修理できず、すぐに買い替えることになった」という結果になっては本末転倒です。
特に、改正健康増進法に適合した適切な分煙環境を維持するためには、確かな性能と継続的なメンテナンスが不可欠です。長期的な運用とコンプライアンス遵守を考えるならば、保証とサポートが充実した新品の導入を強く推奨します。
トルネックスでは、お客様の予算や設置環境に合わせた最適なプランをご提案します。中古品のリスクを避け、安心できる喫煙所を作りたいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
導入や比較の相談はWEB面談でも対応しています。専門スタッフが画面共有などを通じて、分かりやすくご説明いたします。
