工場の環境改善や従業員の健康管理に欠かせない設備である「集塵機」。
いざ導入や買い替えを検討しようとインターネットで検索してみると、国内外を含め数多くのメーカーや機種が表示され、「結局、自社の工場にはどのメーカーのどの製品が合うのか?」と迷ってしまう担当者様も多いのではないでしょうか。
集塵機と一口に言っても、その種類は千差万別です。吸い取る対象物が「乾いた粉」なのか、「溶接の煙」なのか、あるいは「油混じりのミスト」なのかによって、選ぶべき集塵方式や最適なメーカーは全く異なります。
この選定を誤ると、「導入してすぐにフィルタが目詰まりして吸わなくなった」「メンテナンスの頻度が高すぎて現場の負担になっている」「電気代が予想以上にかかる」といったトラブルの原因になります。
本記事では、集塵機メーカーを選ぶ際に最も重要な基準となる「用途別の分類」や「集塵方式の違い」、そしてカタログスペックだけでは見えない、導入後に後悔しないためのチェックポイントを解説します。

メーカー選びの第一歩!集塵機は「何を吸うか」で決まる
集塵機メーカーを探す前に、まず明確にしなければならないのが「吸い取る対象物の性質」です。
多くのメーカーは得意とする分野が分かれており、対象物によって選ぶべきカテゴリー(製品群)が大きく異なるためです。ここでは大きく3つのタイプに分けて解説します。
乾いた粉・粒子(木工、粉砕、研磨など)
一般的に「集塵機」と聞いてイメージされるのがこのタイプです。
木材加工で出る木屑、樹脂や金属の研磨粉、食品工場の粉体原料など、水分や油分を含まない「乾いた粉塵」が対象です。
この分野のメーカーは非常に多く、小型の移動式から、工場全体のダクト配管に接続する大型の定置式まで、ラインナップも豊富です。
選定の際は、粉の粒子の大きさ(粒径)や比重、爆発性の有無などを考慮する必要があります。特に、アルミニウムやマグネシウムなどの可燃性金属粉や、小麦粉などの有機粉塵を扱う場合は、「粉塵爆発」のリスクに対応した防爆仕様の機種を選定できるメーカーを選ぶ必要があります。
煙・微細粒子(溶接ヒューム、レーザー加工)
アーク溶接やレーザー切断などの金属加工時に発生する「ヒューム(煙)」は、一般的な粉塵よりもはるかに粒子が細かいため、注意が必要です。
ヒュームは数μm(マイクロメートル)以下の極めて微細な粒子であり、肺の奥深くまで入り込む危険性があることから、労働安全衛生法などの法令でも厳しく規制されています。
一般的な粉塵用の集塵機では、フィルタの目が粗すぎて煙が通り抜けてしまったり、逆にすぐに目が詰まってしまったりすることがあります。そのため、ヒューム対策を得意とするメーカーの製品、具体的には高性能なナノファイバーフィルタや、溶接専用の「ヒュームコレクター」を選定するのが基本です。
油煙・ミスト(切削加工、食品加工)
最も選定ミスが起きやすいのがこの分野です。
マシニングセンターやNC旋盤などの工作機械を使用する際、クーラント(切削油)が高速回転で飛散し、霧状になったものを「オイルミスト」と呼びます。また、食品工場のフライヤーなどから出る調理油煙も同様です。
これらは液体状の粒子であり、一般的な「粉用」の集塵機を使ってしまうと、フィルタが油で濡れて瞬く間に目詰まりを起こします。最悪の場合、油が染み込んで火災の原因になることもあります。
油煙やミストを対象とする場合は、必ず「オイルミストコレクター(ミスト集塵機)」と呼ばれる専用機を取り扱っているメーカーを選びましょう。さらに、その中でも「水溶性」か「油性」かによって適した方式が異なります。
代表的な集塵方式とメーカーが得意とする分野
メーカーが得意とする技術(集塵方式)を知ることも、失敗しない選び方のポイントです。各方式のメリット・デメリットを比較表に整理しました。
| 集塵方式 | 仕組みと特徴 | メリット | デメリット |
| バグフィルタ式 (ろ過式) | 布や不織布の袋状フィルタで粉塵をろ過する。最も一般的な方式。 | ・捕集効率が高い ・安価な製品が多い ・乾いた粉に最適 | ・目詰まりしやすい ・定期的なフィルタ交換が必要 ・水分や油分に弱い |
| サイクロン式 (遠心分離) | 旋回気流による遠心力で、粉塵と空気を分離する。 | ・フィルタがないため目詰まりしない ・メンテナンスが容易 ・高温の粉塵にも対応可 | ・微細な粒子は捕集できない (前処理として使われることが多い) |
| 電気集塵式 (静電気) | 高電圧をかけて粉塵やミストを帯電させ、電極に吸着させる。 | ・圧力損失(吸引低下)が少ない ・微細な粒子や油煙に強い ・目詰まりしにくい | ・初期導入コストが高め ・絶縁破壊を防ぐ対策が必要 |
バグフィルタ式(ろ過式)
多くの集塵機メーカーが主力としている方式です。
フィルタの素材や形状によって様々な粉塵に対応できます。目詰まりを防ぐために、圧縮空気を吹き付けて粉を落とす「パルスジェット払い落とし機能」が付いている機種が一般的です。
ただし、どんなに高性能な払い落とし機能があっても、フィルタは消耗品です。ランニングコストとして定期的な交換費用を見込んでおく必要があります。
サイクロン式(遠心分離)
サイクロン掃除機と同じ原理です。
構造が単純で壊れにくく、フィルタ交換の手間がないのが大きな魅力です。しかし、遠心力だけで分離するため、煙のような軽い粒子や微細な粉塵を取り除くことはできません。
そのため、大きなゴミをサイクロンで落とし、残った細かい粉をバグフィルタで取るというように、他の方式と組み合わせて提案するメーカーも多く存在します。
電気集塵式(静電気)
静電気の力(クーロン力)を利用する高度な技術です。
フィルタの目が詰まって風量が落ちるという物理的な制約が少ないため、「常に強力な吸引力を維持したい」「微細なミストや煙を確実に捕集したい」というニーズに適しています。
特に、フィルタを目詰まりさせやすいオイルミストや、バグフィルタを通り抜けてしまうような微細なヒューム対策において、この方式を得意とするメーカーの製品が選ばれています。
カタログスペックだけでは見えない「選定の落とし穴」
メーカーのカタログには「最大風量」や「捕集効率99%」といった魅力的な数値が並んでいますが、それだけで判断するのは危険です。
導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、以下の視点を持ってメーカーを比較してください。
フィルタの「目詰まり」と吸引力の維持
カタログに記載されている風量は、あくまで「フィルタが新品の状態」かつ「何も吸っていない状態」での最大値であることがほとんどです。
重要なのは、実際に粉やミストを吸い始めた後、その吸引力をどれだけ維持できるかです。
特に粘着性のある粉塵やオイルミストの場合、一般的なフィルタ式では数週間〜数ヶ月で目詰まりを起こし、風量が激減してしまうことがあります。
「目詰まりしにくい構造になっているか」「風量低下時の対策はあるか」をメーカーに確認しましょう。
メンテナンスの手間とランニングコスト
集塵機は「買って終わり」ではなく、使い続ける限りメンテナンスが必要です。
「フィルタ交換は工具なしで簡単にできるか」「内部の掃除はしやすいか」といった現場レベルの使い勝手は、長く使う上で非常に重要です。
また、見落としがちなのが電気代です。工場で24時間稼働させる場合、モーターの消費電力の差は年間で数万円〜数十万円のコスト差になります。
本体価格の安さだけで選ぶのではなく、交換フィルタ代や電気代を含めた「トータルコスト」で比較検討することをおすすめします。

オイルミスト対策ならリドエアートルネックス
もし、お客様の課題が「工作機械からのオイルミスト」や「油煙」による環境悪化であるなら、電気集塵方式に強みを持つトルネックスのリドエアートルネックスが最適解の一つとなります。
多くの工場が悩む「フィルタの目詰まり」や「メンテナンスの負担」を解決する、同社の技術とサービスについて紹介します。


目詰まりしない「電子式集塵フィルタ」
トルネックスの最大の特徴は、独自の「電子式集塵フィルタ」を採用している点です。
一般的なろ過式フィルタが網目で汚れを漉し取るのに対し、電子式は金属プレートの間に高電圧をかけて、電気の力でミストや煙を吸着させます。
プレート同士の間隔が広いため、空気がスムーズに通り抜ける構造になっており、汚れが溜まっても風量がほとんど低下しません。
「新品の時は吸っていたのに、すぐに吸わなくなる」という集塵機特有のストレスから解放され、常にクリーンな工場環境を維持できます。

業界トップクラスの省エネ性能
空気抵抗が少ない電子式集塵フィルタは、ファン(送風機)にかかる負荷が小さいため、消費電力を大幅に抑えることができます。
例えば、トルネックスのオイルミストコレクター「RB600」の場合、一般的な同等クラスのミストコレクター(約700W)と比較して、消費電力は約230Wと約3分の1で済みます。
これは、30台導入した場合、年間で約250万円もの電気代削減につながる計算になります(※電気代単価30円、1日20時間、年間300日稼働の場合)。
省エネはコスト削減だけでなく、企業の脱炭素経営(カーボンニュートラル)への貢献という観点からも大きなメリットとなります。


メンテナンスはプロにお任せ
「集塵機はメンテナンスが面倒」という常識を覆すサービスも、トルネックスが選ばれる理由です。
電子式集塵フィルタは洗浄して繰り返し使用できますが、その洗浄作業や点検をすべてメーカーの専門スタッフに委託するメンテナンス契約が用意されています。
定期的にプロが訪問し、フィルタ交換や機器内部の清掃、動作確認を行うため、現場の従業員が油まみれになって掃除をする必要はありません。
現場の負担をゼロにし、本来の生産業務に集中できる環境を提供します。
リドエアートルネックスの導入事例
大規模工場での労働安全と設備保護
- 導入: 計41台のオイルミストコレクターを集中的に配置。
- 効果: 床のスベリが解消され、作業員の安全性が向上。回収オイルの再利用も可能になりました。また、オイルミストによる業務用エアコンの負荷が軽減され、故障抑制・長寿命化にも貢献しています。



まとめ
集塵機メーカー選びで重要なのは、単に知名度や価格だけで選ぶのではなく、「自社の汚れの性質に合った集塵方式を採用しているか」を見極めることです。
- 乾いた粉なら、バグフィルタ式やサイクロン式が一般的。
- オイルミストや微細な煙なら、目詰まりに強く省エネな電気集塵式が有利。
特に、工場の空調効率やランニングコスト、そして現場のメンテナンス負担まで考慮すると、初期費用の差以上に運用メリットの差が大きく表れます。
長期的な視点で、性能維持・省エネ・メンテナンス性を比較し、貴社の課題解決に最適なパートナーとなるメーカーを選定するとよいでしょう。
