お客様インタビュー
― 喫煙室を設置した経緯をお聞かせください。
以前は、宴会場フロアは小部屋に喫煙所を設け、レストランは喫煙エリアと禁煙エリアに分けていました。しかし、2010年4月に神奈川県受動喫煙防止条例が施行されてからは、客室以外は完全禁煙にし、正面玄関脇の喫煙所のみで対応していました。
ところが、お客様の喫煙ニーズは非常に大きく、新年会やセミナーの宴会場予約の際に「禁煙」ということをお伝えすると断られるケースが度々ありました。とくにお酒を召し上がるお客様は喫煙も楽しみたいという方が多く、42階のバーラウンジでは苦情が相次ぎました。タバコを吸うために1階の喫煙所まで降りていただかなければならず、「二度と来ない」といった厳しいお声をいただくこともあったといいます。
また、3〜4階には計8つの宴会場と4つの会議室がありますが、セミナーの休憩時間のときに、正面玄関前にタバコを吸う方々の人だかりができるようになりました。ホテルやバスをご利用の近隣のお客様に対する受動喫煙のケアも重要ですし、見た目もあまりよくありません。ホテルのスタッフからそういった意見が数多く寄せられたため、館内4か所に喫煙室を新設することになりました。
― 設置の際にこだわったことはありますか?
ホテルと一体感を持ったデザイン性の高い喫煙室を設けようということで進めました。これまでにないようなクオリティーの高いものにしたいと思い、いろいろな施設の喫煙所を見てまわりましたね。
1階ロビーには、バーカウンターを改装してソファのある喫煙室を設けました。4階の宴会場フロアはクロークを喫煙室に改装しています。煙が漏れないように排気設備はかなり強力なものを設置しました。高層階には、42階にバーラウンジ、40階に日本料理のレストランがあるので、それぞれの雰囲気に合わせた意匠の喫煙室を2か所設けました。空気を新鮮なものにしたいということで、ここには除菌機能付きの『トルネックスカウンター』を設置しています。
― お客様からの反響はいかがですか。
反響は大きく、いいものをつくったと大変評判がいいです。条例遵守の重要性が高まるなかで、襟を正してちゃんとしたものをつくったので、評価していただいているのだと思います。
神奈川県のホテルのなかでも初の試みでしたが、プリンスホテルのなかでも喫煙室を設けたのは我々が初めてでした。本社に納得してもらうため、自分でも喫煙対策について勉強しました。
トルネックスさんとのお付き合いも分煙セミナーに申し込んだのが始まりですが、いろいろ相談しながら進めることができました。今後は、法令遵守と顧客満足を第一に、プリンスホテル・グループでも喫煙対策を展開していく可能性もあると思います。